やさぐれ歯科医院

白い天使クリスチャン・ゼル博士を目指す歯科医の戯言

行ってはいけない口腔外科 入局編 1

歯科での機器滅菌問題がまた再燃してたんですが、

「話が違う…やってもうた…でも1年じゃ辞められない…」な人を一人でも減らすために、先に「行ってはいけない口腔外科 入局編」をやります。

見学に行っても多分うまい話しか聞かされませんから、頑張って眼力をつけてください。

 

お給料

これは大事なんですがバラツキが多すぎます。

2年目以降、外勤の頻度や派遣先によってかなり変わるのです。タイミングもあるでしょう。先にいる人達に聞くのが手っ取り早いです。「今から金の話かよ」という態度をとる先輩は要注意人物と思って差し支えありません。

 

手術が上手い指導医がいない

これは見極めが非常に難しい。在籍している先生に聞いても、そこの職場しか経験していない先生では「世の中こんなもんだよな、いや世の中ではいい方なんじゃね?」くらいにしか思わないんですよ。これホント。

大学病院では業績として論文が評価される割合が非常に大きく、果てしなく臨床に向いてない先生がIF(インパクトファクター)パワーでひょいひょい出世するケースもあります。そんな口腔外科は指導される側にとっても患者にとっても地獄ですし、実際にそういった酷い主治医が患者殺しちゃってるケースもあります。

 

手術の目安は、やはりバラツキが少ない顎変形症になっちゃうんですよね。

 

目安の一つとしては手術時間。

顎変形症で下だけなら1~2時間、上下で3~4時間、なら普通じゃないですか。超速い先生だと上下で1~2時間みたいな変態(褒め言葉)もいます。ただし、切って固定だけだと速いんですがマニアックに色々やるんでもっと時間がかかる先生もいますので、手術時間だけでは言い切れません。

もう一つの目安としては出血量です。顎変上下で50~100ml以内なら上手い術者だと思います。ただこれも術式によってかなり異なります。

 

顎変形症が年に5件以下しかないような大学病院の口腔外科は、それだけで間違いなく地雷です。よほどのメリットがない限りは絶対に止めたほうがよい。

 

市中病院はねえ…顎変少なくてもピンキリなんで…。

 

学位にともなうアレコレ

これは大学院の話なので大学病院限定。

医学部口腔外科の大学院なら医学博士、歯学部口腔外科の大学院なら歯学博士になります。別に違いはありませんし誰も気にしません。

 

昔は大学院4年間では絶対に学位がとれず、5年6年当たり前!のような大学もありました。最近ではそんな話も聞きませんが、大学に数年以上いるつもりであれば、大学院に入って学位も貰っちゃったほうが絶対にお得です。

大学勤務も最初に貰える給料なんてたかが知れてますので、最初に大学院生で無給バイト生活の方が傷は少ないです。大学職員として給料も貰える社会人大学院に入れるならベターですが…。

 

学位があった方がいい理由は次の2つ。

・学位がないと昇進できない

大学病院の助教や講師以上、市中病院の部長職など役職につけない可能性があります。口腔外科を続ける気が少しでもあるのなら学位はあったほうがよい。

 

・開業しても欲しくなる時がある

後から学位欲しがる先生をチラホラ見かけます。ほら、皆さんHPに肩書を山のように載せてるじゃないですか。学会やスタディグループも単に所属してるってだけで載せてるくらいですから、学位なんかあったら大威張りで書いてますよ。 

今は「どうせ開業するし学位なんかいらんよ」と思っているかもしれませんが、上記の開業医達も最初はそう思っていたのです。昔なら講座に上納金を払えば黙っていても学位が手に入る裏システムがあちこちにありましたが、最近ではどこも厳しくなってきたために中々…とるなら最初のうちが楽だと思います。

 

大学院で唯一気をつけねばならないこと

大学院に入ると臨床は一切ダメとか週一の外勤時だけ…という講座もあります。「俺は研究・論文に生きるんだ!」という人にはどうでもよいですが、口腔外科は手が動いてナンボの世界。

どんなにダメ人間でも「あの先生、臨床は抜群だからなぁ」で渡っていける場合が多く、臨床科にいて臨床ができないというのはやはり致命的なのです。もう手は出さず研究に邁進してくれたほうが周りも患者もHappyなのですが、なんか知らんけどそういう先生に限ってやりたがるんですよね。

 

大学院4年間臨床から遠ざかっていても、イケてる口腔外科に在籍していれば巻き返しが効きます。例え大学院中に臨床をしていても、ダメな口腔外科で学位とって専門医とって計10年くらい在籍していたら、もう結構厳しい。恐らく同年代がもうバリバリ顎変を切っている時に小手術をちょいちょいやるくらいでしょう。その後も差は開く一方です。

 

周りにいませんか?

あの先生、卒15年くらい経っているのに、骨折や嚢胞より大きい手術してるの見たこと無いよね…という先生が…

 

専門医にともなうアレコレ

恐ろしいことに、口腔外科を名乗っておきながら専門医をとるのが困難・またはとれないというところもあります。大体は次の2パターンですかね。

 

・「頭頚部の癌は、耳鼻咽喉科など医科が担当すべし」というシステムの病院。

そうなってしまった経緯は色々ありますので後に回しますが、これでは必要な症例がたまりません。じゃあどうするかというと、関連病院に出向して症例を稼ぐのです。なので出向までは大した手術も経験できなかったりする可能性があります。

関連病院が癌をやっていない場合は…これは…。

 

・専門医受験の順番が詰まっている

大抵の口腔外科では上から順に専門医試験を受けさせるのですが、現在の受験要項の中に

全身管理研修

本学会(日本口腔外科学会)が認定する施設内の手術部あるいは麻酔・救急・集中治療等に係わる施設において一定期間、全身管理、特に呼吸管理を研修しなければならない。

という必須研修項目があり、これをクリアするのが大変な施設もあります。そうなると、上が終わるのを延々と待たなければなりません。

歯学部の口腔外科なんかでは表向きは研修やったことにしてこの過程をすっ飛ばしている施設もありますので、そういうとこは楽です。

専門医資格は、卒10年超えて取れない施設もざらですから、7、8年目前後で専門医とれていれば早い方ではないでしょうか。

その施設で「最近」専門医を取った人達の経歴と卒年次を抑えておきましょう。

 

教授が口腔外科専門ではない

これは書いていいのか迷いましたが…まあ後輩達のためだしな!

 

東京大学のように「教授は医科であるべし」なとこは口腔外科の教授が形成外科医だったりします。このような医科Drが教授なケースは除きます。医師免許と歯科医師免許を両方持つダブルドクターはもう絶滅危惧種ですね。

 

問題なのはこちら…

 

医学部系大学病院口腔外科では、口腔外科の教授なのに専門が歯周病とか補綴という講座もあります。東京都の某超有名私立大学もHPを見るとそんな構成ですね。

よくあるパターンは臨床で色々とやらかしちゃったため大学の逆鱗に触れ、「トップに口腔外科専門の奴は置くな!癌はやるな!大きい手術も危ないからやるんじゃない!歯科+αくらいにしておけ!」ではないでしょうか(想像)。

そういう講座が上で出したような「専門医をとる症例集めに外に出なきゃいけない」とか「ある程度大きい手術は外で学ばないといけない」とか、酷いと「専門医とれない」という面倒な状況になってしまうのではないでしょうか(想像)。

 

いや特定のどことは書きませんよ。そんな大学もある…んじゃないかなぁ…という想像の話です。

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そうするとですね、恐ろしいことに、この本家の大学病院の系列病院口腔外科でも同様の状況(口腔外科なのに口腔外科専門の教授はダメ・大きい手術はさせないetc…)となる可能性が十二分にありまして、回りくどい文章でアレなんですが何が言いたいかというと、関東に新設予定の某大学病院口腔外科も…あれ…誰か来たようだ…

 

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